トルコリラは高金利通貨として高い人気でした。
「スワップポイントで不当所得」、「金利収入でほったらかし投資」ともいわれていましたが、
現在の状況は一転して、下落傾向で「トルコリラは終わった」との声も聞かれます。
トルコリラ投資家を天国から地獄へ突き落とした、原因とは何だったのでしょうか?
トルコリラは天国から地獄の日々へ
トルコリラは、以前はスワップポイント狙い通貨として高い人気を誇っていました。
ずっとホールドしておくだけで、一定のスワップが入ってきたので、裁量トレードのできない初心者トレーダーにとっては、ほったらかし投資で資金増加するので、魅力的にうつったようです。
そのトルコリラ天国が一転、為替下落により地獄の日々を送る羽目になってしまいました。
トルコ経済は不安定なため、シリア侵攻、エルドアン大統領など要人の発言で、相場が大きく動きやすいのです。
トルコリラ急落は2018年のトルコリラショック
トルコショックは2018年8月に発生しました。
トルコリラは、22円台後半から、15円台まで7円以上も下落したのです。
原因として以下の要因があげられます。
・アメリカ人牧師拘束で、対米関係が悪化
米国人ブランソン牧師は、2016年にトルコでテロ容疑があるとして拘束されました。
ブランソン牧師は容疑を否認したにもかかわらず、2018年7月までトルコ当局は解放せず拘束を続けたのです。
この長期拘束を受けて、トランプ大統領は対トルコへの関税引き上げを断行しました。
トルコ側も仕返しとしてアメリカ製品への関税を2倍にするという報復措置を取りました。
この貿易摩擦により、トルコは国内経済の停滞を引き起こすことになりました。
アメリカとの貿易摩擦がハイリスクと市場が判断し、トルコリラが一斉に売られ始めました。
投資家たちはトルコ株や債券もあわせて売り出したので、トルコリラは一気に暴落したのです。
2020年の新型コロナウイルスショックもあり、そのまま暴落が続いていました。
そして重なる政策金利の引き下げも行い、トルコリラスワップも少なくなっています。金融アナリストの見通しも明るいものとはなっていません。
トルコリラ地獄を味わうトレーダーの特徴
トルコリラ地獄の最中にいるトレーダーの共通点は、ハイレバレッジで資金計算なく、大きなロットを保有していることがあげられます。
これだと為替が急落したとき耐えられずに、証拠金不足での強制ロスカットになります。
レバレッジコントロール、ロットコントロールを行い、ある程度の含み損に耐えられる資金を保ちましょう。
今後のトルコリラ対策
今までの天国は残念ながらもうありません。それを踏まえて今後トルコリラ地獄に陥らないための対策としては2つあります。
・スワップ狙いをやめる
トルコリラはスワップ狙いで長期保有が定石でした。
ただし、マイナー通貨の長期運用は為替変動リスクの可能性が高くなるので、暴落による地獄を見る確率が高まります。つまり、スワップ狙いをきっぱりあきらめて、裁量取引でのトレードが、今後はローリスクになります。
・他のの高金利通貨に乗り換える
それでもスワップポイント狙いの長期ロングホールドを考えているのであれば、トルコリラよりも南アフリカランドやメキシコペソなど他の新興国通貨を検討してはどうでしょうか。
トルコリラと比較するとスワップポイントが低いのがデメリットですが、通貨が安定しているので、為替急落になることも低いです。
マイナー通貨のスワップ狙いとしては、これらが現状ではまだおすすめにあたります。